デニロ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのデニロのレビュー・感想・評価

3.5
4月6日『一度死んでみた』以来の劇場鑑賞。否、5月30日に出掛けたのだが、1時間ほど経過したところいきなり客席誘導灯が点いたと思ったら場内が明るくなった。数分後、係の人が今調べているのでしばらく待て、と。30分後、本部の消防装置の誤作動で上映が出来なくなった。就いては午前中の上映を中止し、払い戻しますが、窓口混雑の為このまま待て。それからどうしたと思いますか。40分ほど放置プレイ。業を煮やして部屋の外に出るとフェイスガードをした係員がふたり入場出入り口で所在なげに突っ立っている。バカバカしい。そもそもそんなに入場なんかしていないではないか。本作だって4人しかいなかったし。少しは工夫したまえイオンシネマ。

かつて『ウエスタン』という題名で公開された。わたしがひとり映画館に洋画を観に出掛けた最初の作品の片割れだ。目当ては『スパイ大作戦 薔薇の秘密指令』。ワクワクしながら出掛けたものだったが、当時14歳のわたしにとって本作の印象は強烈で、なんて長くて退屈なんだと呆然としたものだった。141分の長尺で、早く終わるのをじっと待ってたんじゃないかと思う。クラウディア・カルディナーレは好きな女優のはずだったけれど、テレビで観ていた若い頃のつやつやした感じがないので観るのもつらかったかもしれない。

今回は165分オリジナル版。2019年に公開されたそうだ。知らなかったけれど。いや、題名が違うから。劇場が再開されて検索していたら本作の題名に心当たりなくクリックしたら『ウエスタン』じゃないか。他に見たい作品もなく、挑戦です。クラウディア・カルディナーレ、ヘンリー・フォンダ、ジェイソン・ロバーズ、チャールズ・ブロンソンのクレジット。冒頭から長い、長い、長い。本作は、アイルランド移民の気の長い計画が物語のバックボーンになっているので、ひとつひとつが詳細なのは当然とでもいうような演出だ。それにしてもとは思う。VODじゃ我慢できぬと思う。1100円払えばこその忍耐です。

いろいろとよくわかりました。クラウディア・カルディナーレが家探しする謎の場面を観ながら、彼女は何かを求めてこの地に来た悪女と断じてしまう。が、その何かがもう涙もので、それが分かった途端に冒頭のアイルランド人一家の惨劇が余計に悲しい。ヘンリー・フォンダが憎々しく、当時日本で人気者のチャールズ・ブロンソンが若々しく、何よりもジェイソン・ロバーズがチョーカッコいい。

1968年製作。原案セルジオ・レオーネ。脚本セルジオ・レオーネ 、セルジオ・ドナーティ 。監督セルジオ・レオーネ。
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