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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのadeamのレビュー・感想・評価

2.5
マカロニウエスタンの始祖セルジオ・レオーネが廃れつつあった西部劇への挽歌として制作した大作。
開拓時代末期を舞台に、横断鉄道とフロンティアの消滅で居場所を失いつつあった男たちの虚しい姿と、身寄りがなくともたくましく生きていく女の姿を交差させて描いた物語です。
長回しと環境音で構成された緩急の極みのようなオープニング、ロングショットとクローズアップで描かれる一家皆殺しの場面と序盤はレオーネの代名詞が詰まった素晴らしいシークエンスでした。
その後は話の展開があまりにもゆったりで冗長な気はしましたが、印象的な青い瞳で悪役を演じるフォンダ、口数が少なくても抜群の存在感を発揮するブロンソン、むさ苦しい画面の中で一輪の花として輝くカルディナーレと役者陣が醸し出す味わい深い雰囲気が悠然と映し出されていくのに身を任せるのは心地良く、誰をこの物語の主人公として観るかでストーリーの見え方が変わってくるのがおもしろかったです。
さすがに2時間を過ぎて飽きてきた頃にクライマックスがやって来るのですが、ケレン味あふれる回想シーン明けの一瞬で決着というここでも見事な緩急が炸裂していました。
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