徳永由規

愛なき森で叫べの徳永由規のネタバレレビュー・内容・結末

愛なき森で叫べ(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

  賛否両論ある映画だとは思うが、これから語り継がれる映画になるのではないかと思う。
  前半では主犯の村田には喜怒哀楽の「哀」の部分がなく、途中で逃げていったフカミと対照的に描かれており、村田のサイコの部分がより強調されたシーンがあった。
  中盤での徐々に村田に飲み込まれて行く様子は胸が痛い。逃亡生活を始めた頃から徐々に法を犯していき、負の連鎖は止まることはなく、ジェイを映画のワンシーンで殺し、その死体が解体される様子まで描かれている。美津子とシンが死体を片付けている作業中に楽しんで遊んでるシーンがあり、村田を中心とする集団の不気味さがより伝わってくる。
  後半では、どんでん返しのクライマックスだった。この作品で何が伝えたかは、私が思うに作中にも何度もセリフとして出てきており、タイトルにもあるように「愛」がもたらす憎しみ、恨み、不安などを描きたかったのではないか。
  追加で書き足すとジェイの演技とメルヘンチックなBGMがこの作品を引き立てているなと感じた。この作品はとてもセンスティブで考えることが多く、強い印象を受けたので、この総合スコアにした。なにより実話を元にしたというのが恐ろしい。
徳永由規

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