ぽんちゃん

ガリーボーイのぽんちゃんのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
4.3
使用人の子は使用人になるしかない。

貧富の差はあるにせよ多くの人に当てはまる話ではないかと思って見ていた。普通に生きていると概ね自身の親と同等、もしくは少しステップアップのレールに乗るケースが多い。自分も多分そうだと考えることがしばしばある。芸術家の親、医者の親、音楽家の親、恐らく確率的にはその職業を選ぶ可能性が高い。

主人公のムラドa.k.a.ガリーボーイはその中でもインドのスラムで、悶々と貧富の差、脱出できない現状に不満を抱えているが、可愛い彼女が唯一の支えでなんとなく濁して生活をしていた。そこで出会ったのがHIPHOPというカルチャー。
うーん、最高!万国共通!

たとえ楽器が弾けなくても、楽譜が読めなくても、他人の音源をオカズにビートを作り、自分のリリックを乗せれば、自分だけが表現できる一つの曲になる。そこに乗せる言葉や思いが強いものが、同じ思いを抱いているヘッズ達に間違いなく届く!流行のフローやビートだけではニセモノのレッテルを容赦無く浴びる。そんな世界でガリーボーイはダイヤの原石である。

主人公やヒロインが美男美女でやや、都合の良い展開も多くはあるが、勇気づけられる良作だと思う。

ガリーボーイがイギリス旅行者が着ているNASのTシャツを褒めてからのくだりが好き。国境や言語の壁も越えて、共通認識のメッセージは確かに届いている。
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