たかた

最初の晩餐のたかたのレビュー・感想・評価

最初の晩餐(2019年製作の映画)
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食卓の物語。死者との巡礼という意味で『岸辺の旅』や『ニシノユキヒコの恋と冒険』が思い出される。黒沢清や井口奈己の作品では幽霊が出てくる。建物が気持ち良い。比べて今作には幽霊が出てこない。縁側の撮り方が良くない。

日付けを明示するのではなく思い出したかのようにナレーションと過去描写を挿し込む。病院の食堂に始まりダイニングテーブルやコタツにも見られた人物配置と相関図。音楽が妙にクドイ。親切だがあまりに説明的で不器用にも感じる。

でも正直なところ無下に扱うような作品では決してない。
青年時代のしゅん兄を演じる子役はただただ魅力的である。永瀬が相変わらず最高に渋い。ジメッとした染谷に安心する。斉藤の役柄が東アキコなのがニアミスで嬉しい。そしてやっぱり窪塚がどうしようもなく良い。

あまり動きのない長回し。2食目で「お腹いっぱい」と言いながらも食事を続ける親戚。ラストに持ち込まれた”おはぎ“のご都合主義。

演者含めて愛のある作品だと思う。
たかた

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