このレビューはネタバレを含みます
とても素敵なエミリオさんの話
ほんとうにただこの人だけをクローズアップした映画だから、キューブリックに愛された男っていう邦題は確かにそのとおりなんだなと思った
真面目で仕事が丁寧
そのうえ度胸があって腹が据わっている
けれど豪快というんじゃなく、とても謙虚でシンプルな、そして温かみのあるひと
こういう素敵な人がいるんだなぁ
そんなエミリオさんはスタンリーキューブリックにとって心の安らぎになっていたみたい
キューブリックのちょっとイカれたエピソードが出てきたんだけど、天才肌の人ってそういうところあるのかもしれない
わたしは彼の映画はほんとうに好きだし、だからこの映画も観ようと思ったのだけど
エミリオさんがいないと仕事に差し支えるほどだったようだ
そしてそれを鼻にかけたり、ニヤけたりするでもなく、少し困惑したように話すエミリオさん
わたしもすっかりエミリオさんのファンになってしまいました
ただ本人にとっては
F-1ドライバーの夢を諦めざるを得なかったり、親御さんの近くに行きたくても行けずお父さんが亡くなってしまったり、キューブリックの強引さに振り回された部分は多々あったみたい
でもまたエミリオさんがイタリアから戻ってきてくれたから、これからまたいい作品をきっとたくさん作っただろうに、キューブリックが急死してしまったのが惜しいですね