ノラネコの呑んで観るシネマ

グッドライアー 偽りのゲームのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.6
信用詐欺師のイアン・マッケランが、裕福な未亡人のヘレン・ミレンに狙いを定める。
中盤まではマッケランが徐々に彼女の生活に食い込んでゆくプロセスだが、ある時点からヨーロッパの歴史に絡んだ、二人の人生に秘められた秘密が顔を覗かせてくる。
まあこれはシリアスな「コンフィデンスマンJP」みたいなもの。
クライマックスの全体像のネタバラシこそがカタルシスなのだが、全ての原因になった事件のディテールが唐突かつ雑過ぎではないか。
この種の作品はリードは控えめにしてミスリードで誘うのはお約束なので、あまりヒントを出せないのは分かるのだが、歴史的な混乱期にしてもちょっと強引に感じた。
いくらなんでも、あそこまで単純にことは運ばないんじゃないかと思うぞ。
名優二人の演技合戦は見応えあるし、ヘレン・ミレンは相変わらずカッコいいんだけどねえ。
全体としてはまずまず面白いが、もう一つ突き抜けない。