コータ

死刑台のエレベーターのコータのレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
4.3
退廃的なムード漂うマイルス・デイヴィスの演奏が印象的なサスペンスの傑作。その後の色々な作品に直接的な影響を与えているのが伝わる、アイデアの宝庫でもある。

90分間何一つ無駄のない、細部まで計算の行き届いた映画。これが長編デビュー作だというから、ルイ・マルには驚かされる。
随所で光るサスペンス演出も見事。銃殺の場面×鉛筆削りの場面をクロスさせる編集などは特に秀逸である。

ロープを回収し忘れた主人公。小さなミスが、大きな過ちへ、事件は想わぬ方向へ連鎖していく。
軽薄な若者カップルに愛車を奪われるわ、その車を目撃した恋人には勘違いをされるわ、そんで自身はエレベーターに閉じ込められるわ… もう散々である。


「もう耐えられない。愛してる、愛してる」
コータ

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