原作は、第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞を受賞した高校演劇の戯曲とのこと。
ほぼ全編、アルプススタンドのはしの方で繰り広げられる会話劇。
会話の中だけに登場する人物、園田や矢野を見ているこちら側に想像させるやり方は、『桐島、部活やめるってよ』に確かに似ている。
これまで、城定監督のピンク映画やエロVシネなど数十本は見てきて、城定監督のスタイルをそれなりにはわかっているつもりだ。で、果たして本作が巷で評価されているほどに、城定監督の傑作なのかと考えると ? である。つまり、城定監督のピンクやVシネには、もっと良い作品が沢山あると思うからだ。
いい映画だとは思うが、評価されすぎなんじゃないかともおもう。
しかし、やはり、いい映画である。
本作が、キネマ旬報や映画芸術のベスト10内にランクインしたり、ヨコハマ映画祭などで賞を受賞したことは喜ばしいと思う。
長ったらしいだけの締まりのない映画が多い中で、75分で纏めあげているのも流石である!