このレビューはネタバレを含みます
中国人男女が異国の地 日本で出逢い、「好き」や「孤独」を重ねる魂の遍歴。
巡る季節の中で、ごくごく自然に其々のパーソナリティを表現し、時に瑞々しく、時に寂しさを滲ませる当たり前の日常を観察するように描く作品の視座。
人物に付かず離れずの絶妙な距離感だからこそ気付く「芽生え」や「揺らぎ」や「諦め」が絡み合い、痛みやもどかしさとして浸透してくる。
今も何処かで彼らが、この素直でやりきれない恋愛模様を描いているのだろうと想起させるリアルな空気感があり、気づけば彷徨う彼らの傍らに寄り添っていた。