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中村屋酒店の兄弟のすみのレビュー・感想・評価

中村屋酒店の兄弟(2019年製作の映画)
4.0
これまで自分以外のものを生きがいとして過ごしてきたであろう兄と、都会で好きなように生きてきたすこし無神経な弟。
もう何年も誰かのために生きていると、自分自身を生きることがなにより難しくなってしまうんだよな。
兄弟だから、久しぶりに会っても昔と変わらず仲良く過ごせる。相手を傷つけたり異変に気付けなかったりする反面、お互いに相手を思いやる優しさは持ち合わせてる。
最後の兄の優しさを、弟はどう受け止めて生きていくんだろう。

藤原季節の、お母さんの病気に慌てる様子や、優しさの反面どこか鼻持ちならない感じがすごく上手だった。

見終わってみると、「中村屋酒店の兄弟」というタイトルも、「僕らはいつも近くて遠い」のキャッチコピーも、とてもしっくりくる映画だったな。
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