ペコ

ソワレのペコのレビュー・感想・評価

ソワレ(2020年製作の映画)
3.3
Filmarksさんの試写会にて鑑賞。
役者を目指しながらも裏で犯罪を犯している青年・翔太と、介護の仕事をしながら暮らしていたが突発的に殺人を犯してしまった少女・タカラ。そんな2人の逃避行を描いた本作。主演2人の演技に魅了されましたし、カメラワークが2人の心情の変化をとても繊細で綺麗に映しているように感じました。それぞれが過去に過ちや傷を負いながら生きており、どこか似ている2人が互いに支え合いながら逃避行を続ける姿は切なくもあり、何故か応援したくもなりました。誰だって何かを背負いながら生きている。人生は失敗することばかりだし後悔することばかりでもある。でも前に進まないと何も変わらないのだ。過去は変えられないけど未来は変えられるのかもしれない。悪い事ばかりの人生の中でも心から信頼できる相手に出会えただけでも生きる価値ってあるんじゃないかと考えさせてくれる作品でした。孤独を感じていた2人がどうすれば少しでも明るい未来に辿り着けるのかを考え、それぞれの決断をした姿はハッピーエンドと言っていいのかもしれません。
最後まで淡々としすぎていたように感じて、盛り上がるシーンは少ないですが、村上虹郎と芋生悠の体当たりの演技は見応えありました。
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