余熱

ソワレの余熱のレビュー・感想・評価

ソワレ(2020年製作の映画)
4.2
役者をめざしている男と介護施設で働いている女の逃避行といった感じのお話です。
本作ですがとても重くて痛くて深い映画です。
逃げながら成長する、何かに気づくというシンプルなストーリーながら、繊細な感情表現を役者が見事に表現されていて素晴らしかったです。
言うなれば魂のぶつかりあいで見応えがありました。



評価が別れるのはラストの展開だと思いますが、自分を受けいれて前へ進むという終わり方をしました。私が気になったのは翔太が自分がした過ちを償わなかったことです。ヒロインは自分を受けいれ罪も受け入れました。確かにヒロインの願いを受け止めて行動していますが、過去の過ちを償わなければ彼女をまた見つけたとき誇れる自分なのか疑問符がつきました。

ヒロインの芋生悠さんは今年の日本アカデミー賞の新人賞にノミネートされるのは固いのではないかと思っています。ほかの彼女の出演作は『左様なら』しか見たことがありませんが、感情の爆発のさせ方やどうにもならないことへの表現がとても上手いと思いました。負のオーラを感じさせる雰囲気は才能だと思います。
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