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羊とオオカミの恋と殺人のYSKのレビュー・感想・評価

羊とオオカミの恋と殺人(2019年製作の映画)
1.3
「誤解を恐れずに言えば」と前言い訳をしながら腐すのは簡単ですが、誤解されても構わないから言います、この作品はクソです!

もちろん福原遥さんは可愛いし素敵だし結婚してほしいです、江口のりこさんにしてもいつも通り掴みどころのない役どころを淡々と演じられていてそれはそれは素晴らしいことです
ただ、それ以外は正直クソとしか思えません
いやクソというか、気持ち悪いです

偶然穴が開いてしまい覗けるようになった隣の部屋に住んでいた女子大生は凄腕の快楽殺人者で、見ていたことがバレて殺されそうになるも、その間際に告白したら付き合うことになったなどという、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定
あまりにも凄腕すぎて死体が高値で取引される関係で闇の死体処理業者が文句も言わずに死体の片づけや掃除をやってくれるという、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定
彼女の手伝いで大学についていったところ、彼女の取り巻きだか親衛隊だかの嫉妬を浴びて悦に浸るという、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定
それだけでも歯が浮き舌が腐りそうですがそれだけではありません

快楽殺人者ではあるけれども飽くまで悪人しか殺しませんよという、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定
そしてそれを死体処理業者つまり彼女側の人間から言われたにも関わらず納得する主人公という、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定

主人公は彼女への愛によって彼女の殺人を正当化するのならばまだわかりますが、そのようなことはせずに常に先送りか見なかったことにして殺人の責任を彼女と処理業者に丸投げし、自分はあくまで巻き込まれただけの一般市民という皮をかぶったままの包茎野郎でいることがまた気持ち悪い

「これはラブコメです」と宣言することで『ありふれた事件』や『アングスト/不安』のように快楽殺人を真剣に考える気はありませんよと前言い訳をし、主人公はあくまで巻き込まれただけの一般市民という皮をかぶったままなのでモラルや道徳という言葉とは一線を引き、ありがたいことに「美人で凄腕の殺人技術をもった女子大生に惚れられちゃった」という、いかにも「オタクが好きそう」という型に嵌められた設定だけを消費したゴミクズです
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