まことさん

ディレイルド 脱線のまことさんのネタバレレビュー・内容・結末

ディレイルド 脱線(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ミステリートレインツアーの設定がカケラも活かされていない。本当にカケラも活かされていない。

「みんなぁ、腕に感覚がない…」「みんな…聞いてくれ、水の中に何かがいる…」って呼びかけてるのに一生無視されてクリーチャーに持っていかれるレイモンドが不憫すぎる。

ルーシーがクリーチャーに捕まる→主人公が必死に腕を掴む→クリーチャーがルーシーの腕を引きちぎってルーシーを水に引き摺り込んでいく、という場面が結構たっぷりとした尺で描かれるけれど、ルーシーを始末したクリーチャーが次はお前だとばかりに主人公の首を掴んだら仲間が速攻発砲して主人公を助けるのは何なんですかね。なぜルーシーの時に発砲してくれなかったのか。

このクリーチャーも、頭部に被弾しても死なないから大したもんだと思っていたら、ちょっと羽交締めされたくらいで退散するのでどういうパワー設定なのかわからない。クリーチャーの「人間感」もなんかすごくて、見た目的に半魚人というか、ハンギョドンなのに水面から出てくる時「プハァーッ!」って感じで出てくるのには少し笑う。
ハンギョドンは人間を排除しているわけではなく捕食しているようですが、捕食しているにしては序盤の狩りのスパンが短すぎる。とりあえず狩っておいて、遺体はどこかに貯蔵しているのだろうか?

アビゲイルのように力が弱く、精神的にも未熟で混乱しやすく、その割に自我が強く、無駄に動き回るフィジカルがあるタイプの子供キャラは手のつけようがない。名探偵コナンの少年探偵団に感じるのと同じ「椅子に縛りつけとけ感」。
アビゲイルと主人公を先に逃がそうとしているトーマスをアビゲイルが「ひぅぅ〜ん🥺」みたいな表情で見つめるシーンが結構な尺で描かれますが、視聴者的には「何ボーッとしてるんだよ!早く行けって!…ねぇ!早く行けって!……いやハンギョドンが見えてるなら言えよ!!!!」って気持ちになります。でもアビゲイルの視線はトーマスから動いていないように見えるので、アビゲイルはハンギョドンが怖くて動けなかったのではなく、単にトーマスをうっとりと見つめていただけなのかも?だとしたらあのシーンは本気で意味不明なんですよね。

なんやかんやあって最後の生き残りになった主人公は、翌朝晴れ渡った野外(森?)を華々しく疾走して、疾走してる間になんか…こう…いい感じの天啓に撃たれて走る方向を変えます。そしたら鉄道線路があり、そこを伝って文明社会へ戻ります。

で、ここからはちょっと面白かったです。実は主人公が助けを求めた駅職員にとって、主人公はおよそ100年前に列車事故で亡くなったとされる乗客の1人だったのです。主人公は100年もの間あの夜を追体験しながら死から逃れようと足掻き続けてきたのでしょう。
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