Maple

映画ドラえもん のび太の新恐竜のMapleのレビュー・感想・評価

4.0
「全てのドラえもんファンと藤子先生に捧げる傑作」

映画ドラえもん

今作で40作品目なんだとか。
おめでとうございます。

第1作目は「のび太の恐竜」
新キャストでの初映画は
「のび太の恐竜2006」
ドラえもん50周年・映画40周年の今年は「のび太の新恐竜」

今日という日を待っていました。ずっと

当初の公開日ではないけど、でもこれはまた何か特別な意味があるような気がする。

大筋はのび太の恐竜と同じで、人類史に遺していいような奇跡を生み出すのび太君の超強運で恐竜の卵を発見→双子でまさかの新種。それでいて可愛い。なにそれ反則。

この映画、川村元気さん脚本で安心しきっていたけど、この40年の歴史の中で作られた暗黙のルールを破った気がする。
「歴史を変えてはいけない。」
これを逆手に取った展開でハッピーエンドへ導いてくれた川村さんに感謝したい。

今回も相変わらず1人号泣していたんだけど、キューとミューももちろんなんだけど、この映画で1番最初にのび太が助けられた海のシーンでもう大泣き。
今までの作品ではこういう事は無かった。
もしかしたらこの手が通用するのはドラえもんの歴史の中でも特別なこの作品限りかも知れない。
至る所に伏線が貼ってあってでもそれが無理なく回収されていく。本当に凄い。

いつも友達と切ない別れをするのび太だけど、今回はジャイアンとスネ夫にも友達が出来る。この2人の掛け合いと踊るような作画が凄く良くて面白い。

鼻でスパゲティが目でピーナッツになりました🥜
そして今回もドラえもんのポンコツ具合と顔芸は健全です👍

もう全てが良い。

君が好きなもの、君が苦手なもの、その全てが君をつくるもの。みんなと違ったっていい。だけど変わりたいのにその為に頑張らない君の弱さが勿体ない。

映画を見る時、その世界に入り込みたくて「共感」という事を人はしたがるし、私もする。絶望的な経験をした登場人物を何とか理解しようとする。

のび太くんはテストの平均点が0点で、そうじゃなければ大金星。運動も鈍臭くて得意じゃない。嫌いな食べ物は平気で残す。怒られてもなかなか懲りない。

だけどのび太くんはバカじゃない。
運動は苦手だけど、みんなと野球をしたりする。野菜だって食べないといけないとわかっている。護るべきものが何なのかをちゃんとわかっている。

私達はこの日本一平凡な男の子から人として大事にしないといけない事をいつも教わってる。
今の世の中、簡単に誰かと繋がりを作れるけど、大切にするべきものの価値をしっかり理解出来なくなっている気がする。

強い人に弱い人の気持ちは分からないし、出来る人に出来ない人の悔しさは分からない。だけど共感しようと努力すれば、手を差し伸べるべき相手がわかるはず。
今こんな世の中で、頑張ってる人や辛い思いをしてる人がたくさん居て、本来その人達に手を差し伸べるべきなのに、後ろ指刺されているのが現状。

私達、のび太くんよりダメダメじゃん。

本当に未来を変えたければ、今を変えるしか無いんだと、もう、はたち超えてますけど、そんな風に気付かせてくれる作品と、それをこの時代に作ってくれた人達に心から感謝したい。

今年も素敵な映画ドラえもんをありがとう。


そしてのび太くん、お誕生日おめでとう
Maple

Maple