このレビューはネタバレを含みます
少年の君
言うてしまえば「容疑者Xの献身」やん。
とか言う奴。うるせえ、バカ野郎。
そういうことじゃないやろ。
それ以上のもんをこの作品は描いてるやろ。
まず完璧なキャスティング。チョウ・ドンユイさん。今まで存在を知らなかったのを後悔する程素晴らしかった。
イー・ヤンチェンシーも素晴らしい。
あの二人やからこそ儚く、すぐに壊れてしまいそうな二人の関係性を見事に描けていたんやと思う。
中国のイジメ問題、いや世界中のどの国でもあるであろうイジメを扱った意欲作。イジメの描写などは目を背けたくなる程、残酷に描いていた。
残酷な世界で少女が唯一安心できる場所は不良少年の隣であり、世の中を憎む様な目をした少年が唯一安心できる場所が少女の横であった。
それにしてもイジメっ子グループのリーダーは素晴らしい程にクズ人間だった。
そんな奴のせいで人生を狂わせられかけるヒロイン。
「私の負け」
泣けた。
てか終始泣いてたか。
社会的、普遍的問題を扱いながらも純愛映画としても素晴らしい程に機能しており、監督の手腕に驚かされた。
最後のエンドロールしかり、監督、スタッフ一同、キャスト一同がどんな思いを込めて作品を作ったのかということを考えるとまた涙が出てしまった。
プロミシングヤングウーマンに並び、今年のベスト1位に並ぶ傑作でした。
ありがとうございます。