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少年の君のkyonのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
4.0
友人からとにかくおすすめをされ、ふと渋谷で用事を済ませたとき思い出し文化村へ。

いじめられていた女子高生の自殺後の振る舞いで次のターゲットにされてしまったチェニ・イェン。いじめがエスカレートする中、校内でも成績上位者のイェンは女一人手で育ててくれた母親との生活を変えるために北京大学を目指す。そんな時帰り道不良のシャオベイを助けたことから彼との交流がはじまる。いじめからイェンを守るため、受験後の貸しとしてボディガードを名乗り出たシャオベイ。大切な人たちと人生を変えようと受験勉強を頑張るイェンだが、シャオベイが偶然取調べを受けてしまった日にいじめの主犯格らから壮絶な仕返しを受けてしまう。

作品のはじまり方がすっと導入してくれてよかった。英語の意味がこれから描かれる過去と重なって切ない情感からスタート。

中国の社会問題を扱っていつつ、ラブストーリーでもあるので、イェンとシャオベイの孤立した2人がお互い惹かれ合う自然さが良い。

シャオベイがかっこええ。

印象的だったのは、シャオベイの衣装の表現。自分みたいなチンピラとは一緒にいることを知られない方がいい、と基本的にフードを深く被るシャオベイの服装は、制服のイェンと対比されて、より孤立した状態や日陰にいる存在が強調される。あちら側とこちら側。

唯一彼の家では2人とも部屋着になったりするので、その境界線が溶け、2人の交流が深まる場所に。シェルター的な場所だし、2人がお互いの命綱として機能する。

だからこそラストのシャオベイに対して、ああきちんと社会に参加できたね、よかったと救いのある表現だったことにほっとした。

シャオベイがかっこええ。(2回目)

2人のバイクのシーンが素敵だった。
ドラマの展開自体もサスペンスフルでどこでいじめが発展するのか、受験に間に合うのか、何か事件が起きるかなどの要素がラブストーリーと絡み合い、あ、もしかしてこれがリアル吊り橋効果では…!?と感じていました。笑
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