スクラ

ルパン三世 THE FIRSTのスクラのレビュー・感想・評価

ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)
5.0
<原作者が待ち望んだ 3DCG 映画は見逃せない>
「ルパン三世」の生みの親、モンキー先生ことモンキーパンチが 2012 年頃に夢として語ってい たのがルパン三世の 3DCG 化です。 十数年来のルパンファンの私にとって、最初にこの発言を聞いたときは、本当に実現するのだろ うか、ハリウッド映画化と同じように途中で頓挫しないかと半信半疑で聞いていたのですが、令 和を迎え、ついに3DCG 作品がスクリーンに登場しました。
(実は 2000 年初期にルパン三世のハリウッド映画化がちょろっと情報が出たんですよ!)

まずは一般的な感想から(そのあと、ルパン知らない人はぽかーんとなる感想があふれますので ご愛敬・・・(笑)

・2 年半前から制作が進んでいて、一週間に 7 秒分しかシーンが進まないほどの作り込み

・キャラがしゃべっている口元は実際の声優の口元を撮影してから作成しているので、とても精巧に作られていて、
話している声とキャラの口元が完全に一致しているのがすごい!!

・ストーリーは「カリオストロの城」を意識しながらも、現代に即したヒロインが登場し、13 3分があっという間に過ぎた

・ルパン三世初見の人でも楽しめる作品、今回、「広瀬すずちゃんが声やってるならみたいかも・・」 という人が少なからずいるようで、
そういう人たちでも楽しめる構成になっていて良かった。(そんな人はここだけ押さえるとよ り楽しめるよ~というポイントを下にまとめました)

・おなじみのカーチェイスは3DCG になったことでより迫力が!!!次元のドライビングテク ニックに惚れる作り込み!

と、ここまでが一般的な感想です。

ルパン三世作品が初見の人は下の点をさらっと覚えておくと より楽しめると思います。

・ルパン三世とは、アルセーヌルパンの孫で世界を股にかける神出鬼没の大泥棒

・相棒の次元大介、目が見えないほど深く被った帽子がトレードマーク。凄腕ガンマン。

・同じく相棒の石川五エ門。こんにゃく以外は何でも切れる斬鉄剣の使い手。

・峰不二子、ルパンの恋人ではない、こちらも神出鬼没の女泥棒。ルパン曰く「女の裏切りはア クセサリーのようなもん」

・銭形警部、ICPO(インターポール)という国際警察機関に所属し、ルパンを追う。ルパン逮捕 を生きがいにしているが、
世界を滅ぼさんとする悪党が現れたときなどは、一時休戦し、ルパンと手を組む柔軟さを持つ。

さて、ここからは濃いめの感想になります!

まずは、キャラデザについて、
ルパンのアニメはもう 50 周年を迎えているほど歴史があり、 その長い歴史の中で当然キャラデザも変わってきています。

ルパンは新ルの赤ジャケですが、顔の作りは近年の Part4、5 ぐらいのすらっとした感じに仕上がっています。

不二子ちゃんは顔の作りは旧ルよりで、今回のイメージカラーはグリーンでした。グリーンも似合ってる!!

銭形警部はカラーリングは新ルで、ちょっと茶目っ気が入った Part5 に近い顔の作りで愛嬌があったのが良かった。

五エ門は髪がさらっさら!!!絶対スタッフさん、ここ力入れてますよね?!カラーリングは新ルを意識しつつも、旧ルの切れ長な目を意識して作られたのかなと思います。

一番驚きだったので次元でした。ルパンのアニメの中で実は次元が一番キャラデザが変わってい ないことで有名なんですけど、
今回の CG アニメではかなりの変更が加えられていました。やはりあのもさっとした髪型は CG だと違和感があったのでしょうかね・・・ ブルーレイ買うから、メイキングとかでキャラデザ案を見せてほしいな・・・。 次元らしくない髪型なんですが、CG になって全く違和感が無く、むしろかっこよさが倍増して ました。ほ、惚れ直してしまう・・・。

そして、もはや伝統とも言えるルパン走りとルパンダイブ(応用)をちゃんと盛り込んでくれるファンサシーン!

ルパン走りはパイロット版ルパン三世から続くシーンで、これを見ると、過去の作品をないがしろにせず、ルパンという作品を
受け継ごうとしてくれているんだなとほっこりします。

ストーリーについては、宮崎駿監督の『カリオストロの城』をリスペクトしている部分がけっこ うあるなーと思いました。
カリ城そのものが「ルパン作品なのか?」論争を巻き起こしますが、作品単体としてはすばらし いものなので、監督なりの敬意の表現だと感じました。

「ぴよ~~~ん」のシーンも次元の「このっ!このっ!」のシーンもあれ?どこかで観たような・・・

何よりも乗っている車があれですもんね!さらに決戦の前の食べ物まで!!!
ルパンを知っている人が観れば分かるようにさらりとコネタを仕込んでくれたので、ルパンファンの私はより楽しめました。

今回のヒロインもやはりカリ城のクラリスを意識していますが、クラリスの純血さに今の時代らしい力強さも併せ持っています。
クラリスとは違うけどルパン史に残るヒロインだったなーと思います。
ルパンファンも新規の人も楽しめる作品を作ることができるってすごいなと感動です。

試写会で観られて良かったです。公開したら初日にまた観に行きます!!
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