浅野公喜

地獄のデビル・トラックの浅野公喜のネタバレレビュー・内容・結末

地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ここのレビュアーの中で一番この作品に思い入れがあるのは自分なのではないか、という根拠のない自信が有ります。
やっぱり映画としてはキング監督も失敗作と認めるだけに、強引な設定や終わり方、中盤以降のだらだらした展開・・と気になる部分は有ります。

しかし、50年代の少々滑稽なSFホラーをそのまま80年代に持ち込んだ感性が好きなんです。
グリーンゴブリンのトラック、電動ナイフ、缶が飛び出る自動販売機、野球少年を襲うロードローラー(キング監督によるとここはもう少し描写を過激にしたかったそう)、犬を襲ったラジコン、血のついた芝刈り機、セスナが突き刺さったスクールバス等、インパクトの有るのが次々登場。新婚さんを襲った赤茶色のオンボロトラックやオルゴール調の曲を流しながらゆっくり住宅街を回るアイスリーム販売車はそこそこ怖いかなと思いました。
序盤のはね橋におけるカーアクションは頑張っていたので、ああいった勢いが最後まで生きていれば・・まだマシだったのかなと思ったり。

リメイクとして「トラックス」というテレビ映画も有り、そこそこ「ホラー」として消化できるんですが、この作品に有ったバカっぽさ滑稽さは殆ど無く、作品としての「愛嬌」もそんなに無いんですよね。

全編流れるAC/DCの曲も○。冒頭に銀行のATMに馬鹿にされるキング監督もナイス。ギャーギャー騒ぐ新婚の嫁さん(シンプソンズの声優でもある)もgood。

この作品の一般的な評価を見た後、制作直後のおそらく自信満々にキング監督が登場する予告編を観ると結構面白いです。
浅野公喜

浅野公喜