浅野公喜

マッチングの浅野公喜のレビュー・感想・評価

マッチング(2024年製作の映画)
3.8
マッチングアプリに登録したことで殺人事件に巻き込まれることになるタオ・ツチヤにSnow Manのダイスケ・サクマら主演で内田英治監督のサスペンススリラー。

タオ演じる主人公が早速会ったのがダイスケ演じるSEKAI NO OWARIの成り損ない的な男。そのSNS上では好青年風あるいは饒舌なのに実際会うと無口なキャラはリアリティ溢れ、中2病的講釈を垂れる様を見てうわこいつやべ~みたいな表情が笑える所。

やがてストーカー化するその男と距離を置きつつ、まさかの父親も巻き込みストーリーは展開し、「すぐにブロックや通報しない点」「世間の狭さを実感する程にあまりに奇跡的な人間の縁」、「サスペンスやホラーに観慣れている人ならば分かりやすい怪しい人&犯人」といった要素をどれだけ許容出来るかで作品の評価が大きく変わりそうですが、伏線やミスリードが幾つも用意された内容は見事で<一周回った>エンディングは結論から言えば超分かりやすいのに観ている側が油断した状態で迎える為妙に印象的なものになっています。

主人公をはじめやたら色んな人がギャーギャー言ってうるさかったり、犯人の動機が曖昧且つ夫婦の腕を繋げてそれぞれの顔にシイタケの如く×印を入れる意味が解明されない(強いて言えば四つ葉のクローバー?)、マッチングアプリに実際に居そうな変な男性をもっと描いて欲しかったという不満は有りますが最近のこの手の邦画の中では結構練られた作品と思いました。

結構優しい演技も出来るのに驚きのノブアキ・カネコが誘うリバイバル上映の映画が「サンセット大通り」なのが渋い!
浅野公喜

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