又吉直樹が書いた小説【劇場】。
売れない劇団員と素直な田舎育ちの女の子が描くヒューマンドラマ。
感情をここまでうまく表現しているのには感服する。叙情が本当に素晴らしく言葉の一つ一つの重みが心に染み渡る。
見れば見るほど苦しくもなり、これはどこか感情移入をしてしまう部分があるからだと思うが、2時間の劇場は意味のあるものになった。
好きな相手のために我慢をすること、好きな相手のために自分を変えること、好かれようとすること、理想と現実の狭間で苦しんでいる沙希を見ると心が痛むが、自分のせいで相手を変えてしまうほど怖いものはないのだろうと言うこと。