味コスモ

劇場の味コスモのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
2.5
いくらなんでも都合よすぎるだろ。
この映画の女性観、どうかしてるよ。
結末も、この主人公には甘すぎる。

松岡茉優さんの演技、監督によってはまったく気にならないんだけど、この映画ではわざとらしさが前面に出ていて、彼女の魅力が悪いほうに振れていました。

最後は立ち止まらずに帰ってほしい。

ほんとうにダメな劇団なら、ネットにレビューなんて書かれない。下北沢のあの規模の劇場を借りるって、相当リスクを背負いながらやること。企画書を書き、資金を集め、スタッフや役者とも濃密にやりとりする必要があって、あの主人公にそんなことができるとはとても思えない。作・演出・出演なんて、尋常じゃないくらい忙しい。優秀なスタッフがまわりで支えてくれているのならわかるが、そんなひとたちが集まる理由が彼にはない。パソコンもスマホも持っていなくて、どうやって広報するんだろう(手書きの原稿って、誰が打ち直すの?)。ネットだけじゃない。チラシはよその劇団にお願いして、自分で折り込みに行くんだよ。そういうの全部自分たちでやるってことは、いっさい描かれない。そこにこの映画の主眼はないってわかっているけど、無視しちゃいけない大事な問題だと思う。

田園に死す。寺山の有名な仕掛けがラストに使われるが、広がっていく先が劇場となると、あまりに閉じた世界になりすぎて、息がつまる。

変わっていくひとと、変わらないひと。『火花』とは逆の視点から見せているね。
味コスモ

味コスモ