Nakman

劇場のNakmanのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
3.5
予告編が気になった本作、劇場公開日にAmazonプライムビデオで公開されたので観てみました。

原作は読んでおらず、又吉先生の作品は初めてです。

感想としては『わからん!』という感じです(笑)
アマプラ特権で何度も終盤を見直したのですが、これだ!というものが掴めませんでした…。
終盤だけを4、5回観た(笑)

作品自体は下北沢の劇団員にありそうな話。
根拠のない自信に満ち溢れ、斜に構えたプライドだけ高い売れない劇団員の男が女の家に転がり込み面倒を見てもらって好き勝手するという感じ。

主人公の永田が清々しいほどのクズで同じ男として許せないと思うと同時に羨ましさも感じました。
こんなクズ男なのに面倒を見てくれる女がいて好きなことに夢中になってる。
普通に幸せですよね。
「好きなことで生きていく」を地でいっているわけで。

彼女のサキちゃんは良い子なんだけど異常なほど寛容で優しすぎるという変わり者。

そんな2人の物語はほぼクズ男にイライラしつつ、サキちゃんの可愛さと優しさに救われるという展開で進んでいきます。

クライマックスは驚きました。
そういう展開かと。
カメラを止めるなと似たようなビックリ感。

そこでわからなくなるわけです。
どこまでが「現実」でどこからが「劇場」なんだと。
これが何度見てもわからない。
人それぞれ解釈が変わりそうな感じでした。

失ってから大切さに気づいて素直になれた男、その素直な言葉を聞いて愛の深さを初めて知った女、そのすれ違いの恋の結末はせつなさを感じさせる幕引きでした。

ということで、良い作品かどうかと聞かれると難しいです。
昔劇団員で同じような経験がある人はドンピシャで刺さるでしょう。

個人的にはまずまずという感じ。

あとは、結構チープな芝居があって何だこれって思ったり、永田のあまりのクズさに笑えてきたりというシーンもありました。
山崎賢人君(イケメン)じゃなかったら許せないレベル。

最後に、松岡茉優ちゃんが素晴らしすぎて感動ものでした。
彼女の演技は次元が違いましたね。
「万引き家族」「ひとよ」に続いて本作でもシビれさせていただきました。

気になった方は劇場(笑)またはアマプラで!

以上、「劇場」レビューでした。
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