妙にリアルで、自分はこんなクズじゃないとわかっているのに、変に罪悪感や居心地の悪さを感じる時があった。
永田がクズなのは間違いないけれど、1ミリも反省していない根っからのクズという訳でもなく、罪悪感や劣等感に苛まされている「生」の人間、という感じが伝わってくる。そのせいで彼を憎みきれないし恨みきれないし、消化しきれないなんとも言えない感情が湧いてきた。
そして松岡茉優さんの演技があまりにも上手かった。声のトーン、表情、目の輝きなど、少しずつ消耗し壊れていく様子が鳥肌が立つくらい上手だった。
また数年経って、もっと成熟してからこの映画を見返したら感じることも変わるかもしれない。