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インディアナ州モンロヴィアのlinusandのレビュー・感想・評価

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いつものように平均3〜4秒ほどでカッティングされる画面に、インディアナ州モンロヴィアの静かで退屈な風景が捉えられている。

この景色は確かに退屈だけれども、一方心地よさを感じられるのは、アメリカの広大な大地を感じられるからか。或いは、巨大なビルなど存在せず、人々が淡々と働き、食べて、ささやかなイベントを楽しんで暮らすという、非都会的な、安穏として、地に足がついた生活を送っている様が、どこか羨ましいからか。

日本でも大都市から離れた土地に、フレデリック・ワイズマンが来れば、同じような映画が撮れるのではないかと思う。

ただしアメリカ特有の銃・キリスト教・人種の問題が、この土地にも静かに横たわっていることが感じられ、ならば日本に置き換えるとそれは何になるのだろうと考える。

田舎の退屈な日常は美しく愛おしい。そこにずっと留まり続けることを苦に思わないなら。都会的な価値観に染まり、常に進歩主義的に思索することが善とされる価値観の中で生きている人に比べて、全く健全な暮らしをしているように見えてしまう。

田舎は都会を異常と思い、逆もまた然りか。
日本では都会派が主流らしく、地方はいよいよ息も絶え絶えになってきている。
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