pandatakashi

雁の寺のpandatakashiのレビュー・感想・評価

雁の寺(1962年製作の映画)
3.9
冒頭、若尾文子が孤峯庵に来た際、 照顧脚下と書かれた札を倒しています。誰も其を気にしません。そこにこの映画の本質を見ました。 雁の寺ってどこやろ?とか思って軽い気持ちで見たら自分が生まれ育った大徳寺が舞台でびっくり。三島雅夫演じる和尚が、僕が見て育った大徳寺山内の和尚さんの特徴をやけに掴んでいて驚いた。
次男として寺に生まれた自分は、和尚にかこまれる若尾文子と立場が近く感じた。葬式のくだりで檀家さんから見えないように振る舞う若尾文子の気持ちがよくわかる。在家から修業に来た捨吉には全くシンパシーを感じれなかった。
そんな実体験から伝わるヒリヒリ感が強く、個人的には高評価です。勿論、寺の所作として気になる箇所も何点かあり、落とし方がハッキリ言って最低なので、映画としてはあまり無闇にオススメしたくありませんが。
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