Rui

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたりのRuiのレビュー・感想・評価

4.6
久しぶりに知的好奇心がくすぐられた。時代が時代だからかもしれない。世界の自然現象を解明すべく未知なる領域に足を踏み入れた人々のことを考えると、自然と背筋が伸びる。私はといえば文明に甘んじて何をのほほんと怠惰な生活を送っているのだろう、と。一種の泥臭さが、純粋な気持ちを呼び起こしてくれる。

この映画での主役は、気象学者のジェームズ・グレーシャーと気球乗りの女性アメリア・レンということになっているが、実際には中年男性2人であったらしい。グレーシャーと前人未到の冒険を共にしたコックスウェルの存在が書き換えられてしまったのは残念だが、二人の若き男女という設定にした方が華やかな演出ができるからと考えたのだろうか。ただ、1800年前後に活躍した女性気球乗りの存在は確かだったようで、ソフィー・ブランシャールというフランス人女性が該当する。

事実に固執しなければ、臨場感溢れる映像や動と静の操り方、回想シーンのバランスなどから見て、映画としての満足度はかなり高い作品だった。鑑賞直後の率直な感想は「面白かった!」
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