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Mank/マンクのIdeonのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
4.0
反骨の映画人、ハーマン・マンキーウィッツは、MGMを中心に右傾化していく映画界に一人抵抗していたが、酒に溺れ、とうとうMGMに解雇されてしまう。RKOで映画製作をしていたオーソン・ウェルズは、彼の才能を見いだし、自由に仕事に没頭できる環境を与えた。結果、出来上がった脚本は「市民ケーン」。二人の代表作であり、映画の歴史に残る大傑作となる…というお話。
デヴィッド・フィンチャー監督がモノクロで、赤狩り時代のアメリカ映画界を描く。ハーマンが市民ケーンの脚本を書き上げるまでの話を縦糸に、ケーンのモデルの新聞王との関わりを回想としてインサートしていく凝った構成。ハーマンに扮するゲイリー・オールドマンもアカデミー賞レベルの名演。市民ケーンを見たことがない人には何のこっちゃという感じかもしれないが、見た者にとっては、なぜ、あんな映画ができたのかがよくわかる、実に良く出来た作品である。
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