ツクヨミ

Mank/マンクのツクヨミのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
4.0
"市民ケーン"の誕生に纏わる秘話‼︎
1940年脚本家ハーマンマンキウィッツことマンクは、オーソンウェルズから依頼されていた脚本制作を急いでいた。そんな中彼の脳裏には過去の回想が蠢きだす…
ゲイリーオールドマン主演"市民ケーン"誕生までの物語。今作は1940年代のアメリカ映画を強く意識したのか全編モノクロで作られていたり、パンチマークが画面上にあったりして当時の映画技法が取り入れられていたのがよかった。話の内容的にも当時のハリウッドやカリフォルニアの情勢が関わってくるので、そういう当時の話がすんなり入ってくれて見やすかったと思います。
そして話の展開としては1940年のマンクの脚本制作が主なストーリーとなるが、それ以外はマンクの過去回想が断片的に写されており、"市民ケーン"では徐々に証言者の語りから秘密が明かされていく手法を使っていたが、それをうまく解釈してストーリー展開の肝にしていたのが素晴らしかった。MGMやRKOそしてパラマウントなど当時の映画会社の要人がたくさん出てくるポイントも、監督のハリウッド愛が現れていてよかったと思う。
演技の面ではやはり主演ゲイリーオールドマンの演技は流石でした。あんなめちゃくちゃでよくわからないマンクをしっかり演じきっていて素晴らしかったです。特にラストらへんのパーティでの1人語りがよかった。
全体を通して、当時のハリウッドやアメリカ政治や経済の話が主なので知識は多少必要ですが、当時のハリウッド業界を身近に感じれる作品だなと思いました。
ツクヨミ

ツクヨミ