「市民ケーン」を二度楽しむ
マンクこと脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツ(ゲイリー・オールドマン)が「市民ケーン」の脚本を執筆する様子を、ケーンのモデルとなった新聞王ハースト(チャールズ・ダンス)との因縁の回想を交えながら描く。
本作の予習として「市民ケーン」も鑑賞した(今さら😅)が、カメラアングルやフラッシュバックを多用した構成など、確かに当時としては斬新(むしろあざといぐらい)だったろうなとは思ったものの、主人公ケーンが人間的に魅力的とは感じられず、作品としてもさほど面白いとは思えなかった。
ところが、本作で「市民ケーン」の各シーンの裏にマンクのどんな思いがあったのかがわかると、なぜか「市民ケーン」自体が魅力的に思えてくるから不思議。
「市民ケーン」を再現した作風も味わい深いが、当時と現在の社会情勢の比較もなかなか考えさせられる。