映画好きの柴犬

Mank/マンクの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.9
「市民ケーン」を二度楽しむ

 マンクこと脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツ(ゲイリー・オールドマン)が「市民ケーン」の脚本を執筆する様子を、ケーンのモデルとなった新聞王ハースト(チャールズ・ダンス)との因縁の回想を交えながら描く。

 本作の予習として「市民ケーン」も鑑賞した(今さら😅)が、カメラアングルやフラッシュバックを多用した構成など、確かに当時としては斬新(むしろあざといぐらい)だったろうなとは思ったものの、主人公ケーンが人間的に魅力的とは感じられず、作品としてもさほど面白いとは思えなかった。

 ところが、本作で「市民ケーン」の各シーンの裏にマンクのどんな思いがあったのかがわかると、なぜか「市民ケーン」自体が魅力的に思えてくるから不思議。

 「市民ケーン」を再現した作風も味わい深いが、当時と現在の社会情勢の比較もなかなか考えさせられる。