カナグ

モータルコンバットのカナグのネタバレレビュー・内容・結末

モータルコンバット(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

あの対戦型戦闘ゲームが再びスクリーンに帰ってきた。
とはいえ、1995年のものとは内容も構成も大きく異なっており、技術の進化からか映像がカッチョよくなった。上記で「あの」と銘打っているが、私個人は原作のゲームシリーズを一度もプレイしたことがない。それでも、なんとなくどのような設定なのかは理解できた。


物語は17世紀、日本でいう江戸時代から始まる。
嫁、息子、そして幼い赤子と仲睦まじく暮らしていたハンゾウの元に、ハンが率いる隣国の忍者組織が現れる。その彼らから襲撃を受け、ハンゾウは刺客たちと戦い抜いたが敗れてしまった。

そして現代。
胸元に龍の形の痣が生まれつき滲んでいる男、コール。彼は試合で負け続きの格闘家。しかしある日不思議な力を行使するハン——サブ・ゼロに唐突に襲われ、試合で知り合ったジャックスに窮地を救われた。その彼の助言で、謎の力もとい別の世界を調べているソニアと出会う。
秘められた力、戦士、格闘トーナメント『モータルコンバット』。そして、自分の出生。人間界に刻々と危険が迫っていると知り、コールは家族のために戦うことを決心したのだった。


格闘、異能力、別世界、血脈……
「こういうの、好きなんでしょ?」
そう言われれば、イエスと答えざるを得ない。だってめちゃくちゃかっこよかった。
カッコイイものがお好きな紳士淑女のみなさんは笑顔で映画館を後にするだろう。ああ……劇場で観ればよかった……と後悔している。

さて、今作の見所はなんといっても殺陣、アクション。レーティング15のことあってなかなか流血や欠損など残虐なシーンが多かったが、目を背けたくなる、というよりは清々しさを感じるものだった。
刀とハープーンを巧みに使い立ち回るハンゾウ(スコーピオン)も、凍気を操り氷を生成するサブ・ゼロも勿論かっこいいが、個人的にお気に入りなのはリュウ・カンだ。お顔はキュートなのに体はバッキバキなギャップが素晴らしい。人に対する物腰も柔らかで笑顔が爽やかで……ではなく。ええと、話は逸れたが、カン・フー主体の戦法が鮮やかで、ラストの対カバル戦での『フェイタリティ』、いわゆるトドメの一撃としての技もなかなかに派手で苛烈でかっこいい。こういう必殺技のCGは年々迫力を増していて見応えがあるように思う。


もうひとつ、洋画特有の違和感ありまくりな日本語が一切ないというのも魅力のひとつだ。まあ台詞を回しているのは日本人だし当然ではあるが、はじめのシーンは日本の時代劇と見まごうほど雰囲気作りができているし、まあ天下の真田広之さんが出演されているのだからヘンなことはできないだろうが……。
それにしても真田広之マジかっこいいな……。


終わり方が『俺たちの戦いはこれからだ!』だったので続編が気になるところだが、共同脚本家のルッソによると(※)3部作の制作を考えているらしい。楽しみすぎる。


※ [ https://collider.com/mortal-kombat-movie-ending-explained/ ]記事内のインタビューより
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