「この悪役が許せない!」2020年ベスト
物語の時系列を入れ替えることで“Why”の謎を冒頭で生み出し、その“Why”の解答と同時にキャラクターの描き込みを「過去パートで行う」ことによって、作中で流れているロングスパンの出来事を“一本の映画”へ収める構成の上手さが光る。
悪役の行いの非道さで言えば、今年観た映画の中では随一かも。悪役が“あるもの”を使っていたことが明かされるのだけれど、そこの「穢された」感覚は、作中キャラクターと共有していた。主演のひとりであるタイガー・シュロフさんの“憂いを帯びた表情”が堪らなく好き。