どったの、先生!!!!
『スペース・ジャム』の25年ぶりの続編とあらば観ない手はない!ということで観てきたけども、うーむ。
脚本が良くないなあ。状況を全てセリフで説明して、しかもそのセリフを言ってる間はずっと役者は棒立ち。その説明が長くて本当に見たい場面の尺は短い。
僕はバスケファンではないのでレブロン・ジェームズは名前知ってる程度で、むしろカートゥーン好きとしてバッグス達の活躍をこそ見たかったんだけどもね、いまいち。
近年だと『ピーターラビット』とか『デッドプール』とかクリストファー・ミラー&フィル・ロードが関わってる作品のナンセンスなギャグのつるべ打ちって感じがカートゥーンの楽しさに近いと思うんだけど、そういうセンスが本作にももっと欲しかった。
なるほど脚本にライアン・クーグラーとジャスティン・リンが入ってるんだ。その人選も間違いじゃないと思うけど、もっと気の利いたギャグメーカーも入れるべきだったかなと思う。
例えば最後アイツが帰ってくるロジックもさ、もっとカートゥーン的な発想があってよかったよなぁ。雑。研究不足。
勘違いされてるのかもしれませんが、カートゥーン、特にワーナーのルーニー・テューンズは超アダルトな大人向けアニメですからね!アニメだからって子供向けってたかくくってるんですか?『ロジャー・ラビット』を100回観てください。
それと今作るとなったら、3DCGになっちゃうのは致し方ないのかなぁ……。僕はディズニーが3DCGアニメーションに完全移行してしまったことを未だに残念に思っているんだけど。手描き時代の技術の伝承がどうしても断絶してしまっている気がして。
3DCGと実写の人間が同じ画面に映っていることなんて、今となっては何も目新しくない、当たり前の光景じゃない。
手描きのアニメーションと実写の人間が共演している違和感こそが『スペース・ジャム』は面白かったんでしょうに。ラストちょっとそうなったけどさ。あの絵面を全編にわたって見たかったのよ。
それとこれは好みの問題かもしれないけど、手描きアニメーションパートのデザインもあんまりしっくり来ず。もっとクラシックなデザインにして欲しかったなぁ。
今、MCUをはじめとしてアメリカのエンターテイメント映画も成熟してるから、子供から大人まで楽しめる一級品の作品が作られるのが当たり前みたいになってきてるけど、まあそういう意味ではこういう”子供騙し”な、良く言えば、ほのぼのしたエンタメもちょっと懐かしいなとは思った。『スパイキッズ』とか思い出したかな。ただやっぱ大人になった今、真面目に見るのは正直ちょっとキツイ。
冒頭のレブロン邸で、「ボール!」って言うと自動でボールが出る機械とか、『ロッキー4』かよって感じでね、まあ懐かしい感覚はあったけど。
そもそもの企画の成り立ちはすごく変で面白いんだよね。バスケのスタープレイヤーとアニメキャラが共演するって。どういう発想?っていう。でもだからこそ上手くまとめて欲しいところだった。レブロンがバッグス達とチームを組むことになるくだりも説得力に欠ける。もともと無理やりな企画なんだからこそ、そこの理屈は大事じゃない?
バスケの観戦をしてるWBキャラたちも、コスプレ大会みたいでオリジナルへの愛があまり感じられず。『シュガー・ラッシュ:オンライン』に似た興醒め感があったな。
てかドン・チードルのキャスティングにも首を傾げる。あの世界線には俳優ドン・チードルはいないのかね!?「誰?」って反応するけど、どう見てもドン・チードルだろ!!と思ってしまうし。
あとちなみに今どき、あんなスティーヴン・ユァンの扱いもあるかね笑 オスカーノミネート俳優だぞ!?カメオにしたってもうちょっとなんかあったろ。『ミナリ』早く観なきゃなあ〜。
【一番好きなシーン】
『マッドワイリーコヨーテ:怒りのデス・ロードランナー』これだけで一本短編映画作ってくれてもいいくらい。