たにゃん

シャン・チー/テン・リングスの伝説のたにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

慈悲深くしなやかな母と強欲で剛健な父。

不死で最強だった男が負けた相手は、不思議な村で出会うたおやかな女だった。
妻となり母となった女性をこの上なく愛する男は千年の中で唯一の安らぎを知る。

唯一愛した人とまた再び会いたいと動くのは罪か。
子どもを打ち倒してまで、最愛の亡霊の姿を追う執念の行き着く先は、例え親子の破滅であろうとも。



油断してた。
ただのヒーローものだと油断してた。
家族の話じゃないか。
ターロー村についてからずっと涙が出っ放しで何故こんなにも琴線に触れるのか当初は全然分からなかった。

考えないようにしていたけれど、今週父親のことで色々とあって、押し殺して蓋をしていた想いに触れられたことに気づいた。
許せない人。でも良い面もある。本当に悪い人ではない。弱い人。
人間の一面だけを知って非難できるなら何て簡単なことか。
多様な側面を知ってるからこそ、悩み、向き合い、闘う。


息子が母と同じ型を使うところで涙する。
父が息子を庇うところで涙する。
その他何でもないところで何となく涙する。


自らの情緒不安定さを確認することになり、考えないようにしても心は傷んでいることを認識した。
でもまた観たい。
今度は兄妹の視点で綴ってみたい。