右京

ソー:ラブ&サンダーの右京のネタバレレビュー・内容・結末

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

2022/7/8
シンプルかつテンポの良い展開と、コメディ、音楽がマッチしてめちゃくちゃ見やすい。同じくコメディ要素の強いガーディアンズよりもラフに見られるので、マーベル入門としてもハードルを下げる作品になるかもしれない。前作のストレンジからすると180°角度が違うと言ってもいい。
キャラクターの登場からメインのバトルまで無駄なシーンが一切なく、前半ギャグ、中盤バトル、後半感動と受け手としてもわかりやすい構成だけに受け手はエンタメとして消化しやすい。さらにラストでこれからのマーベルに繋げるストーリーテリングも完璧だった。昨今の思想強めのエンタメ業界に対して、パワーで押し切りストレートに観客を楽しませようとする作風はかなり評価したい。ここはタイカ・ワイティティの作風と現段階でのマーベル内でのソーの役割がかなりマッチした結果だと言える。
音楽センスは個人的にかなり刺さった。エンヤを笑いに使うのは、エンヤが世間的に持たれている印象に対する逆張りをしっかり把握していないと使えないし、追い討ちのようにABBAを使うあたりも、いわゆる懐メロとメインビジュアルの雰囲気を合わせつつ、しっかりコメディに消化していて評価しかない。
逆に特質した要素がないようにも感じたが、平均点で言うと間違いなくマーベル過去作内でもトップクラス。
監督の個性を生かすことで新しいムーヴメントを起こすマーベルチームがエンタメの権化であることを改めて感じた。
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