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ハロウィン KILLSのJIZEのレビュー・感想・評価

ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)
4.0
ローリー・ストロードの仕掛けた籠城型のワナによりマイケル・マイヤーズを燃え盛る自宅に閉じ込めたその直後を舞台にふたたびマイケルの手によりハドソンフィールドの街中が未曾有の恐怖におとしいれられるホラー映画!!公開初日に字幕で鑑賞した。新型コロナの影響で丸々一年の延期をうけ作品内世界の地続きの時制と我々リアルタイム世界との公開ラグにうやむやとなる。最初に序盤でローリーたち三人を乗せた救援車とのすれ違いで、消防車が数台ローリーの自宅へ向かって駆け抜けるシーンは、前回パート1でのマイケルを倒すにいたる全苦労が水の泡と化し、爆笑した。簡潔にインターバル要素が濃く、奥行きをもたせたパート2の続編。約40年間つづいた最強の捕食者による"悪夢の蔓延"を終わらせる闘い。まず前回『ハロウィン(2019年)』の終幕にて主人公のローリーやカレン、アリソン等の共闘により完全勝利で一見事態が終結したかに思われたが、消防士等を巻きこんで想像を絶する悪夢が序盤から阿鼻叫喚の光景が解き放たれていて、導入のつかみはらしさが出てGOODに思う。また今回 特殊なのが主演のジェイミー・リー・カーティス演じる主人公たる活躍どころが、前回のパート1で死ぬ一歩手前致命傷を負ったせいかほぼベッドの上で躍動感を魅せない徹底ぶりは、主人公不在映画としての物足りなさを痛感してしまった。。作品の前半では過去にマイケルに襲われた生存者仲間たちが仲間内で一致団結して追い詰めようとするパートが大部分で、ほぼパート1で散々やった再放送感がややあった。作品の後半では人間が怪物のように"マイケル"という漠然とした虚像に振り回され暴徒化するメッセージ性にいとなむ新たな切り口でハドソンフィールドの闇を露わにさせる。全体的にマイケルが全三部作の完結までは絶対に命を落とさないという想定されたデフォルトがあるため、マイケルに対抗しようとする人間サイドのモブキャラ感がどこも通底していて、良くも悪くもそのへんの仲間が死ぬ部分やキャラの掘り下げなどで濃密なドラマパートを膨らませてもっとエモーショナルに描き出してもらいたかった。あと撲殺でも銃殺でも刺殺でも効かないマイケルの息の根を止める方法は、この先果たしてあるのだろうか。。。

→総評(それぞれの逃げ回る人生に終止符を打つ誓い)
総じてストーリーがあまり進んでない感は、やはりパート1との対比で否応にも感じてしまい、時間稼ぎのために主要キャラクターたちをわざわざ増員させたり、不必要のイベントを急遽発生させたりと、上述したようかなり中弛みのインターバル感が全編に浸透しているように感じた。要所要所ではおもしろいが、ガンあがりするシーンがない。すなわち構成の面でパート1よりは見劣りし後半へ向かうに連れてテンポ感も損なっている印象をうける。それこそ序盤で若き日のホーキンス保安官のマイケルとの対峙のエピソードを軸に時制を1978年に飛ばしたりして、トリッキーな時間軸の使いかたをしてより作品内世界へ厚みをもたらしているのはわかる。個人的にはやはり終盤の大惨事が連鎖する病院内でのくだりが不要に感じてしまい、メッセージ性ともども真面目臭さを全面に押し出し過ぎてしまったか。。そして有終の美を飾るだろう次回の『ハロウィン エンド(2022年)』の方向性次第では、上方修正や下方修正される可能性も十分にアルかと思います。今回のラストもかなり衝撃だったため、次回でローリーとマイケルの頂上決戦になるのは間違いなしだろう。なによりカレン役のジュディ・グリアのパート1に引き続く引き寄せて、引き寄せて、からの...のワナにかける名台詞は鳥肌もので至高だった。季節柄ハロウィン当日ギリギリの投稿になりましたが、パート1の監視はマストでおすすめします!!

【---INFORMATION---】
本日 "秋季ベスト5"をbio上にてUpしました。
ご参考までに今後の作品選びでご活用くださいませ。
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