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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

4.3
久しぶりにIMAX3Dで映画観たな。込み込みで2,700円ってものすごいことになってるな、映画産業。
でも、これだからまったく問題ない。

『エンドゲーム』のトニー以来、こんなに泣かされるとは思ってもみなかった。

ティ・チャラが守ろうとしていたものが、彼が世を去ったことで再び世界から狙われ、その事で別のことが明るみに出る。

この映画の冒頭、そこからもう胸を打つ。
しっかりとティ・チャラが去ったことを描き切る。
“ブラックパンサー”、チャドウィックボーズマンの足跡、功績、そして、無念。

すべてを写して新しい歴史の一歩を歩み出す。
その悲しみを皆で乗り越えんとする意志と覚悟を強く強く感じる。

ワカンダでしか採掘できないはずの鉱石、ビブラニウム。
“ブラックパンサー”亡き後、世界各国は表ではそれを悼み、和平的に、ワカンダに対してその鉱石や技術や国の国交を訴える。

しかし、その裏では、和平的とは名ばかりの潜入や略奪まがいの侵入が起きていた、、、。
そう、国王であり、国の支柱である“ブラックパンサー”がいない今、ワカンダは国際的にナメられていた、、、。

そんな時、ビブラニウムが別の海底で見つかる。すると、それをキッカケに、別の存在がワカンダに迫り始める。

ワカンダに残されたすべての者が、悲しみに暮れながらも待ってはくれない世界や別の組織からの横槍を前に全てを賭けて立ち上がる。

「ワカンダ、フォーエヴァー!」

今回も女性の活躍が目覚ましい。
もともと本作はこれまでのMarvelヒーロー映画の歴史に大っぴらにはなかったダークではない正統派の黒人のヒーローを描いたことで新しい道を開いた作品。

そこから、最近のDisney+など彼らの世界を股にかけた戦略もあり、黒人だけではなく、女性やアジア、インド圏のヒーローが生まれた。

最近のDisney+のTVドラマでも、ワンダ、ホークアイ、Mrs.マーベル、ハルク、など女性陣の台頭が多い。

その流れの中で、今回は、その合わせ技となり、これまでの世界にも、ここからの世界にも通ずる交差点のような役割にもなっている作品だと感じた。

そういう大きな転換の渦に楔を打ちながら、本筋のティ・チャラからの悲しみと絶望からの再生と意志の継承を描く。

いよいよ、というかだいぶ前から、ただの善悪がベースにあるヒーローとヴィランの戦いではなくなってきた。

みんなそれぞれに事情があり、悲しみも絶望も、仲間や大切な人の死すらも背負う。それでも前を向き、残された者で残った小さな小さな希望を守る。

先人達が命を張って守り抜き、決して絶やさなかった希望の灯火が今、受け継がれる、、、ワカンダに。

このMCU、Marvelの真髄。層の暑さ。練りに練られた壮大な筋書き。

結局『エンドゲーム』以降の、シャンチー、エターナルズもあれきりだし、TVシリーズでも粛々とキャラの立ったメンバーが揃いつつある。

この新たな芽吹きと発展と覚悟の連続がMCUフェーズ4。
もう本当に何人いるのかわからないヒーローユニバースにさらにマルチバース。

フェーズ5、どうまとめていくのか、楽しみ過ぎる。


F:1900
M:11953
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