SHOCKER戦闘員の映画日和

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのSHOCKER戦闘員の映画日和のレビュー・感想・評価

4.3
2022.12.04
公開からしばらく経過しましたが無事、刮目をして参りました。
本作を鑑賞するに辺り、共にMCUシリーズを追い掛けてきた友人がつい先日病に倒れ、他界したばかりだった関係もあり中々劇場へ向かう覚悟と踏ん切りが付かないまま日々が流れていたので、
このまま鑑賞しないという選択肢もありましたが、それはそれで何かが違う様な予感もして様々な気持ちが混合したままでしたが結果的に劇場ヘ足を運ぶ事が出来て本当に良かったと思います。

前,国王となったチィ・チャラ亡き今、
残された者達の喪失,と後悔,をテーマにそれでも尚続いていく現実の厳しさとほんの少しの光が溢れていた印象でした。

各々で守りたい存在がいるが故に摩擦が起きてしまう現象はどの世界においても共通する部分であり、
その時の選択次第ではあっという間に誰かを傷付ける形になってしまう事を改めて痛感させられました。
シュリの心理描写も限られた時間の中であるものの、本当に様々な葛藤があったのだろうと思うと心が痛みます。
ヒーローではなく-守護者-を強調してきた辺りも例年のMCUシリーズとは何処か一線を引いてる感覚もあり、
一口に正義や悪という言葉では片付けられないところも印象深いですね。

ブラック・パンサーの力のあり方をシュリという人物を通して若さ故の不安定さも含めて繊細に描かれており、
継承という意味においてはまだまだ彼女自身も時間が必要だと思いますし、
これから先のどのような選択を迫られ下していくのかも含めて陰ながら注目していきたいと思います。
MCUシリーズphase.4作品としては今作で一旦一区切りとなるそうなので制作に携われた方々の敬意を忘れず、

旅立たれたチャドウィック氏をはじめ、MCUシリーズを共に愛してくれた私の友へ少しでも土産ばなしを持っていけるよう少しずつですが、私なりに追い掛けていこうと思います。