ふぁいぽ

夕陽のあとのふぁいぽのレビュー・感想・評価

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.3
特に目新しい話ではないけど、二人の母親の感情の機微が、島の暮らしと共に上手く映し出されていたと思う。二人の女優さんの演技も良かった。

これは生みの親である茜の立場から見てるので、何だか同情してしまう。いや、確かに彼女の気持ちは良くわかる。わかるけど、辛かったからと言って何をしても良い訳ではない。

「生活苦しくてさ、子供捨てちゃったんだけど、忘れられないからさ、やっぱり返してよ。」簡単に言えばこう言う事でしょ。

そこには子供の気持ちなんかこれっぽっちも考えていない。自分の気持ちだけ。でも、豊和が目を覚まさせてくれた。ほんと良い子だよ。

そしてそんな良い子を育てた五月が気の毒すぎる。いきなり生みの親が現れて子供は私の子なんて言われたら、今まで自分たちの子として大切に育ててきたのは何だったのか。納得行くわけない。

日本の法律ってこんななの?だったら里子なんか育てられないよね。親が出てきたら取られるかもしれないなんて。

こういった二人をめぐる島の暮らしが情景豊かに生き生きと描かれていた。