いろどり

夕陽のあとのいろどりのレビュー・感想・評価

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.5
一度失敗したらダメなのか

そんなことはない。でも子供は物ではないし、育ての親にも心があるんだ。

貧困やDV、乳児遺棄、養子縁組など社会問題をテーマに、生みの親と育ての親の愛を描く。

美しい海、島のゆったりとした時間の流れ、のんびり通りすぎる猫、島のみんなで育てる地域コミュニティ。島の良いところ、島民たちの優しさ、それらを一身に受けて育つ息子を目の当たりにして、誠意のなかった生みの親、茜の心が少しずつ溶けて成長していく様子が丁寧に描かれているところが良かった。

特別養子縁組という児童福祉のための養子縁組は、養親の実子となる。普通養子縁組、里親制度とは異なるこのような制度があることを知った。

「捨てるなら最後まで捨てろ」
瀬戸内寂聴さんは"捨てた娘に会ったときそう言われた"と言っていた。
そんなことが頭をよぎる作品だった。

育ての親役の山田真歩さんの丁寧な演技が印象に残った。今後に注目したい俳優。
いろどり

いろどり