余熱

海辺の映画館―キネマの玉手箱の余熱のレビュー・感想・評価

3.6
残された私たちへのメッセージしっかり伝わりました。

ぶっ飛んだ世界観で最初こそ引き込まれましたが、2時間を超えたあたりからは睡魔との戦いでした。
監督の映画への愛と戦争についての思いを痛いほど伝わってきました。

さて、作品は中原中也の詩を中心として進む訳ですが、特に私が響いたのは世界情勢を知ることが出来ない状況で中原が客観的に戦争のおかしさを理解していることです。
現在、私たちは歴史を振り返り世界情勢は携帯で簡単に知ることができます。簡単に知れるからこそ盲目的になるのではないかと私は思います。

歴史は必ず繰り返しています。
私が今の世界情勢を見ていて、思うのは第二次世界大戦前ととても似ていることです。
コロナウイルスの出現は、当時のスペイン風邪に似ています。アメリカ、イギリスの自国主義は不況脱却政策のブロック経済に似ています。これから不況が来ることも予想されます。
北朝鮮がアメリカにミサイルを飛ばせば、戦争が始まるかもしれない。

戦争の悲惨さを体験する有効な手段が戦争映画の鑑賞なのではないでしょうか。大林監督はこの世にはいませんが、残された私たちに素晴らしい映像を残してくださったことには感謝しかありません。
余熱

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