くろさわ

海辺の映画館―キネマの玉手箱のくろさわのレビュー・感想・評価

3.8
閉館になる映画館で戦争映画特集が行われるということで、見に来ていた3人の男性が映画と歴史の中に迷い込み、さまざまな時代の戦争の世界を体験していく物語。

一言ではまとめられない映画で、もはや映画というジャンルを超えた作品かもしれない。

オープニングから今まで見たことないの始まりに驚かされた。まず、映画を俯瞰して説明するナレーション、そして製作に関わった企業を読み上げるなど、そこから始まる展開に脳は完全に置いてけぼりであったが、一気に引き込まれました。

演出の見せ方も予想も狙いも想像できない未知の領域であり、何が起こっているかも整理できない部分はありつつも、映画への愛や美しさ、そして今作が伝えたい戦争と平和の悲しみを感じ取れる映画であった。

キャストもむちゃ豪華で展開もどんどん変わっていき、3時間が一瞬に感じた。

噂に聞いてはいたが、表現の自由さが凄かった。

戦争を教科書やテレビ、映画でしか知らない自分にとってはどこか世界の違う話のような感覚であったが、戦争を通した歴史の悲しみをついては戦争を知らない人に対しても学ぶべき内容であると思う。

歴史は変えられないが、歴史の未来は変えることができる。映画を通して歴史や悲しみを学び、その上で同じ悲しみを生み出さないように行動することが大切なのかなって教えてくれた映画である。

圧倒的な情報量が多く、正直番人受けはしないと思うが、映画好きなら見てほしい映画。