よくある｢ぼったくり｣を巧妙に大規模に行った話で、基本的に同じで騙すのは犯罪だが、騙される方もお間抜けと言う構図。
今作ではその相手がもっとあくどいウォール街の金融マンなので、金のためにやった犯罪ではあるが、儀族的な行動に見せかけることが出来るし、リーマンショックで被害を受けた人にしてみれば｢ざまーみろ」と言うことだろう。
実際には女の友情などかけらも無く、金のためと割り切った関係だったようだし、主犯はデスティニーのモデルであるロザリン・キーオーだったそうだ。
女性二人の友情を前面に出した物語は、これはこれでよい描き方だと思うが、実際の二人の関係をデフォルメして徹底的に黒く騙しあう様子をコメディタッチで描いても面白いものが出来そうだ。
Ｒ指定ではあるがそれほどハードな描写やエロシーンは無く、普通ならそこら辺も売りの一つにしようとする所だが、これが逆に作品の品質を上げている。
女性監督の感性のおかげだろう。
ジェニファーの渾身の演技は見応えがあり各賞に輝いたのも理解できる作品。
