ナミモト

ハスラーズのナミモトのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.5
「この国全体がストリップクラブだった。」
「金をばら撒く側と、踊る側がいる。」

実話に基づいたストーリー。舞台はストリップクラブ。リーマンショック後、シングルマザーとしても生活するディスティニーは、トップストリッパーだったラモーナと組んで、街で出会った金持ちの男をアルコールと薬で意識が混濁した状態で、ストリップクラブまで“釣り”、自前のカードや会社のカードで高額を支払わせることを繰り返す。
前半は、ウォール・ストリートで働く金融関係の高級取りの白人男性にお金で買われて踊っていたストリッパーの彼女たちは、中盤以降は、逆に狩る側に回る。この流れが痛快でもあり、今の格差の状況を克明に描いてもいるとも思います。搾取をされる女性と、搾取をする男性。

ラモーナのママのような愛の深さ。ディスティニーの本当の母親は、彼女が娘の時に、彼女を祖母の家に置き去りにした事とは対比的です。ラモーナの持つ赦す寛大さは、ドラマ「POSE」の主人公とも通じると感じました。
ナミモト

ナミモト