分野を問わず、世界の創造的な人びとに“Why are you creative?”「あなたはなぜクリエイティブなのですか」と訊いてまわるドキュメンタリー。いたってシンプルだけど、出てくる面子がすごい笑 こんなん中々できる事じゃないよね。と言いつつ、自己啓発本を読んで満足しちゃう、みたいな態度でこの映画を消化している自分の凡庸さにやれやれなのだけれど。
僕らは(というか僕は)彼らの仕事の偉大さを幾らか知っているからこそ、その語る言葉に重み深みを感じようとする。ひょっとしたら世界の秘密が聞けるかもしれないと期待しながら耳をそばだてる。でももし、登場する人々へのワナビーな憧れや、彼らにまつわる情報のあれこれを頭の引き出しから追い出して、空っぽの状態でこのインタビューを観たとしたら、自分はどう感じただろう。
本作には登場することのない、たとえば無名の芸術家から同じ言葉を聞いたとき、自分はやはり感動するのだろうか。世界からお墨付きをもらった人びと同様、そんな無名の素晴らしい作品に立ち会ったとき、素直に素晴らしいと感じる事ができるだろうか。説明書きの無い仕事を、自分のものさしで評価できるだろうか。上映中にふとそんな事を思ったりした。
ああ、この感じ。なんとなく『ビューティフル・ルーザーズ』観た時のこと思い出すな〜。
