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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジのpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

そういえば前作もシンビオートとエディその他の人類が接触するまでの距離と工程をえらく時間を掛けていたことを思い出す。あの時はエディが自分の行き過ぎた行為で評判を落とし何もかも失うところまでも律儀に描いていて、焦点がぼやけていた印象があった。

今回は悪役のカーネイジとクレタス側にも遠く離れた愛する人に再会するまでの物語を別に設定しており、明確に距離間(距離感でもある)の物語になっている。ヴェノムとエディはゼロ距離で一心同体でも心の距離までは密接ではない。一方でクレタスとフランシスは相思相愛だが遠く離れている(興味深いのは、ようやく会えたにも関わらずカーネイジの弱点によって最強の二人組になれないことだ。この弱点が無ければ音波攻撃にカーネイジの技で、非常に脅威だった。そういう意味でも障害に阻まれた愛し合う2人)。
これら2つの立場を対比させながら進めていくシナリオを、アンディ・サーキス監督は手際よく描いていたと思う。特にシチュエーション作りが良い。古城のような屋敷の撮り方、教会の神々しさがとても良かった(最後の雨降らしも好き)。
あとエディとカーネイジが取り憑いた後のクレタスで、お店に入ってから店員に対する行動が左右対称に撮られていたのも細かくて印象深い。
ただ戦闘シーンが見辛かった印象。
被害は甚大ながら、前作の逃走での破壊の方が見映えが良かった気がする。

本当に物理的精神的距離の遠近のみで1本に仕上げているので、人によっては印象が薄いまま終わるかもしれない。ポストクレジットで驚きはしそうだが。ソニー的にはどう落とし所をつけるのだろう。

ところで脚本にトム・ハーディが関わっており、この人にとって良い創造の場を手に入れたのかもしれない。ドラマ作ったりしてて、製作側に興味ありそうだし。
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