愛を描く映画として、ここまでノイズなく透明度を高くして描けているのがすごい、きちんと痛々しいしね。
(こういう表現は古いかもだけど)主役の2人が顔や体は男らしいのにどこか女性的なのがいい!
氷魚さんの奥にある冷たさと、季節さんの奥にある熱さ。2人とも似ているようで正反対で、この2人じゃなきゃダメなんだなと役者の雰囲気から伝わってくる。
作品内でも語られてるけど、セクシャルマイノリティだけを弱者にしないという点が新鮮で心地いい。ゲイ、シングルマザー、子供、弱者は決して特別な存在ではない。
母が子に強くあたるところや、氷魚さんのカミングアウトなどはわかりやすすぎて、そう映すのかと驚いたが、他のシーンのおかげでさほど気にはならなかったけど…
緊張感が走る場面の後、空ちゃんのトイレの話題になる。大人が複雑な思い、欲を押し殺したり、吐き出したりした後に、純粋無垢な欲求が入ることでどこかほっとする。この映画が暗くなりすぎず、温かみがある要因だと思う。
光の温度が低い映画だからこそ、お葬式でカミングアウトした後の、リアリティーからは少し飛躍した温かい光が印象的。
季節さんの衣装に紫のアイテムが多く入っていたのは青(男)でも赤(女)でもないという意味なのかなあ…?
麻雀牌を幼児に覚えさせるおばあちゃん大好き笑