同性愛の難しさというより渚の不誠実さにただただ腹が立った映画だった。それも完璧じゃない人間を描くのが上手い今泉監督の意図なのかな？
奥さんと離婚調停中にいきなり家に娘を連れてきて「結婚して子供が出来て一人前の男になれた気がして嬉しかった。今まで普通じゃないって言われてきたから」とか…ゲイで元恋人の迅にそれ言う？私が迅ならブチギレる。そのまま転がり込む渚を受け入れる迅も健気というより主体性が無さ過ぎてイライラした。私ならナメるなよと追い出したくなる。
ゲイなのを黙って結婚してやっぱりゲイだから別れたいっていきなり言ってきた旦那が離婚調停中に忘れられない元恋人の家に転がり込んでたら…私が玲子ならブチギレる。こっちは信じてた人に裏切られた悲しみでボロボロなのに旦那は元恋人とキスしたりヤッたり…まだ離婚成立してないしこっちはお前に傷付けられてんのになにお前は不倫してイチャイチャしてんだよと。
もちろん奥さんだって完璧じゃないし、ちょっと毒親っぽい祖母も居るから空ちゃんを母親側で育てるのが正解かどうかは分からないけど……渚には迅が残るしあの状態の奥さんから空を奪うのはあまりにも酷過ぎるからあの終わり方で良かった。
奥さんにも迅にも不誠実だった渚も最後はちゃんと奥さんに謝って良かった。迅の優しさと一途さにしっかり感謝してこれからは脇目も降らず大切にしてほしい。
同性愛者だからって美化して描かない今泉監督のことは好き。みんな同じ、不完全な人間。
