Haman

禁断の惑星のHamanのレビュー・感想・評価

禁断の惑星(1956年製作の映画)
3.6
オーパーツとかの有り余る科学力を見ると未だに浪漫が止まらないのですよね。

R2D2の元ネタで超プリティーなロビー・ザ・ロボットが出てくる古典SF。
ロビーは完全無欠なスーパーロボすぎなので、こいつが一家に一台あったら驚くべきスピードで人類は堕落するはず。人をダメにするクッションならぬ、人をダメにするロボット。
ロボット三原則にちゃんと準拠した絶対服従の素直さがちょっと怖かった。

IQ増幅マシンを前にして自分のIQ数値でのマウントの取り合いしてるとこは地獄みがあったです。人間の傲慢さと人間という器の限界をバリクソに感じる。
物語としても神に近づき過ぎたイカロスやバベルの塔なんかの神話ぽさがあって寓意性を存分にぶつけてくる感じ、嫌いじゃない。

見えない敵である通称"イドの怪物"襲撃シーンの特撮はディズニーが協力したらしいけど、あのハイテクノロジーでいてアナログな、あべこべな感覚になるのがとっても好き。

思えば潜在意識って何かズルいよね。ゴキブリに触りたくない、嫌いって思った時に「でもマザー・テレサは好きの反対は無関心だって言ったよね。だから触りたくない、嫌いって思ってるてことは"潜在的"には好きを包括してるのだよ」とかいう謎理論を提唱されても、自分の無意識下である潜在意識ってのを提示されたら有無を言わせないパワーがあるよねって話。人類はマザー・テレサへの信頼が厚すぎだよねって話。
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